サーフィンにしても写真にしても鎌倉にしか興味がない 写真家/カメラマン「三浦 安間」

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[夏目の部屋 #004 鎌倉を拠点に活躍を続ける 写真家/カメラマン 三浦 安間]

サーフアートをこよなく愛し、美術、旅、世界のアート文化に造詣が深い、アートキュレーター・フリーライター 『夏目 春菜』 が今、気になる人をインタビューしていく UMIROGI 企画第4弾。今回は、鎌倉を拠点に雑誌、広告、エディトリアルとマルチに活躍する写真家/カメラマン「三浦安間」氏。サーフィンの技術は誰もが認める腕前。そんな彼が生まれ育った鎌倉で写真家としての人間力を探ってみた。

鎌倉という美の宝庫


美しいものがある場所には、必ず表現する人がいる。
それはどこへ行っても、遥か昔から。

日本各地、世界中を旅していてもそれが面白いことの一つ。
街を歩いてギャラリーに入れば一目でわかる。

その土地の何が美しいか、何が潜んでいるのか。
それはずっと住んできた人にしかわからない、良さがあり、伝えたいものがある。

鎌倉には、鎌倉時代より伝統を受け継がれ、大切に築き上げられてきた美があり、鎌倉文士をはじめとする多くの文化人が愛した街。

独自の世界観で表現する、鎌倉は材木座在住の写真家であり、カメラマンである『三浦安間』は海の撮影はライフワークとし、雑誌、広告、エディトリアルとマルチに活躍する。

その世界観を鎌倉が大好きな皆様へと、ご紹介させて頂きます!

写真家への道


三浦氏が写真家の道へと進むきっかけになったのは、TVドラマのプロデューサーである父親の影響。

何かを創りカタチに残していく仕事に憧れていたという。

三浦氏は大学で日本文学科専攻し、高校の教員免許も取得、卒業後は写真家の道か教師の道かに悩み、「今しかできないこと!」として写真家の道を選んだ。

大学生の頃に、海外に行くことを夢見て、師匠である横山泰介氏のアシスタントとして、写真の世界へと入る。

大学在学中に、地元の先輩でプロサーファー兼俳優の中村竜のハワイで撮った写真がデビュー作を飾る。その後広告のスタジオ勤務を経て独立。

サーフィンが与えてくれたこと


鎌倉で生まれ育った三浦氏が初めてサーフィンに出逢ったのは、14歳。
鎌倉のケーブルテレビ主催で、鎌倉支部のサーファーが子供達にレッスンするという企画。今思えばそのサーファー達はプロとなった、すごいメンバーだという。

当時、母親から横山泰介氏を紹介され、その後長い年月を共にする事となる。
三浦氏のサーフライディングはとても美しく、ついつい魅入ってしまうほど。

学連日本一や鎌倉支部予選優勝などの成績を持つほどの腕前である。

写真を始めるきっかけとなったのは、サーフィンをしていたから、サーフィンが与えてくれたことが人生に大きく影響したという。

やはり、美しいものを見て、表現したくなる心はそこにある。

ナ ミ ウ チ ギ ワ


三浦氏のライフワークの中で代表する作品が『ナミウチギワ』
2014年に鎌倉の GREENROOM GALLERYにて初めてこの作品を披露する。

5月のゴールデンウィークに開催されたこの個展は、毎日100人以上の来場者となり、期間中の集客数は物凄いものだった。

サーファーにとって波の割れるシーンが最高なはずだが、三浦氏はこの誰もフォーカスしない『ナミウチギワ』をずっと撮り続けている。

遥か遠くから旅をしてきたうねりが、砂浜に押し寄せられ、最後に割れ、また海に戻る、その長い波の帰り際がとても綺麗で、侘び寂びを感じたという。

正に古都鎌倉にふさわしい写真の一枚だと私はいつも思う。この『ナミウチギワ』シリーズを海外の綺麗な海でもやって見たら?と言われることも多いそうだが、三浦氏は「ここにしか興味がない。サーフィンにしても、写真にしても、撮ることにしても、鎌倉にしか興味がない。」という。

ありがとう。鎌倉。


三浦氏は人生を共にする家を材木座構えた。津波が心配な鎌倉ではあるが、「朝起きて海が見える事に、人生変えられることがあるのか?」と父親に言われた一言で、決めたと言う。

自然は美しくもあり、時にその力に逆らえないこともあるが、日々自然の美しさを感じられることがやはり生きていく上で、幸せに満ちた時間の比率は大きいものとなる。

近年観光客も増え続ける鎌倉。
昔は巣鴨の様にお年寄りの観光地名所だったが、近年は若い世代も増え、古都でありながら、おしゃれな街と変化している。

湘南でありながら、辻堂や茅ヶ崎の海外っぽい感じもなく、鎌倉はお寺もあるので静かで浮ついてない、オープンマインドではない、漁師町な雰囲気だと三浦氏は言う。

地元の人間、移住者など関係なく「子供が大きくなって、ここで育ててくれてありがとう。」と言ってもらえる鎌倉になって欲しいと願う。

理想は鳩サブレ


三浦氏は横山泰介氏と一緒に『KAGAFURI』と言う、鎌倉ブランドのプロジェクトに2018年より携わっている。

KAGAFURI=冠は鎌倉時代から続く伝統を受け継ぎ、多くの文化人が生まれた古き良き鎌倉と年間を通して多くの観光客が訪れ、理想の移住先として上がる鎌倉。

その二つの魅了をファッションに落とし込み、世代を超えて楽しみながら生まれ育った場所に還元して生きたいという思いのもとに生まれたブランドです。

海外では街にフォーカスしているブランドが多い中、日本では何故か少ない。鎌倉にフォーカスし、貢献し、最終的には鎌倉に返すブランドにしたい。

着たいものを楽しみながら作り、自分達がプライドを持って鎌倉の良さを出す。
三浦氏の理想は「鳩サブレ」の様に、子供からお年寄りまでが愛してくれるブランドにする事。

写真館という名のギャラリー

昔から写真館を作ることが夢だった三浦氏。
親子で行事ある毎に写真を撮り、成人を迎え、結婚し、また次世代へと続く。
そんな昔ながらの、今はなき写真館。

今そのスペースにしようと自宅の1階に準備している。
オープンは来年の春の予定。

海沿いには色んなジャンルの作家が集まっていると言うことを、学校帰りの子供達に、この土地にはこんな事をしている大人達がいて、様々な職業があるよと教えてあげたいのだと言う。

写真館でありながらギャラリーとなるその空間を、子供達の心に響くことには違いないであろう。
三浦氏が撮り続けていく、『ナミウチギワ』はこの先もこの古都鎌倉に残り続ける。

三浦 安間

1978年8月17日生まれ。海と山に囲まれた鎌倉で育つ。海での撮影をライフワークとし、雑誌、広告、エディトリアルなど様々な分野で活動中。鎌倉の海をモチーフにした様々な題材で写真展を行う。
WEB SITE
http://yasumamiura.com

Biography
1978誕生
1992波乗りと出会う
2000写真と出会う
2001横山泰介氏に師事
2002立教大学文学部日本文学科卒業
2002スタジオエビナ入社。海老名亨氏に師事
2004独立
2008株式会社49film設立
2010Studio 49 Daikanyama開設

写真展
2009個展「ザイモクザ」代官山fareast
2010個展「イエノマエ」海の家Asia
2012個展「カマクラノウミ」銀座ITOYA
2012グループ展「THE BEST WAVE」SLOPE GALLERY
2014個展「ナミウチギワ」GREEN ROOM GALLERY鎌倉
2014グループ展「MIDTIDE 3rdAnniversary」MIDTIDE鎌倉
2015GREEN ROOM FESTIVAL art garelly 横浜赤レンガ倉庫

 

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NATSUME HARUNA

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神奈川県平塚市出身。デザイナーの母からの影響を受け、幼少期から絵画を学び、美術やアートに関心をもつ。その後、フランス留学、ファッションバイヤー、アートギャラ...

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