鎌倉に住む魅力 | 歴史のたすきを未来につなぐ一人になる

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鎌倉歴史文化交流館は、鎌倉の歴史や文化に触れる窓口

風で草木がなびく音、小鳥のさえずり、水の流れる音、すんだ空気、鎌倉の街を見渡せる景色ー

鎌倉歴史文化交流館は緑に囲まれた、本当に気持ちの良い場所に建っている。

鎌倉は三方が山に囲まれ、南には相模湾に面した地形。自然が多い印象はあると思うが、実はその一つの秘密に「谷」が多いということが挙げられる。三方の丘陵がひだのように入り組んで、鎌倉のあちこちに谷を作っているのだ。

鎌倉歴史文化交流館はそんな谷の一つ、無量寺谷の奥に建てられた鎌倉市の博物館施設。2017年、世界的に著名な建築家ノーマン・フォスターの事務所が設計した個人住宅を活用して開館された。

鎌倉は、市内のどこを掘っても文化財が出てくるような地域。発掘調査をして出てきた多数の出土物を展示し、原始・古代から近・現代に至る鎌倉の歴史を網羅して伝えているのが、鎌倉歴史文化交流館だ。

「文化財や歴史の魅力を知っていただきたいというのが一番の願い。鎌倉には素晴らしい文化財がたくさん残ってますが、鎌倉に住んでいる方でも当たり前すぎて、あらためて向き合う機会は少ないかもしれません。当館は、まず文化に親しんでいただく窓口になりたいと思っています。」

そう語るのは鎌倉歴史文化交流館の大澤さん。今回は大澤さんに鎌倉歴史文化交流館のこと、鎌倉のことをお聞きした。

 

鎌倉時代だけではない、古くから続く鎌倉の歴史

鎌倉の歴史は古い。歴史的には源頼朝が鎌倉幕府を開いたことが大きいが、その前と後にも歴史はある。

たとえば、いまの鎌倉市役所の南側あたりでは、奈良時代の役所跡が出てきている。

鎌倉時代後半には中国から禅宗が入り、建長寺を代表とする寺院ができて禅が流行り出す。今の北鎌倉の地域は中国人もたくさん行き交うような、バイリンガルな町並みだったのではないかと言われている。

江戸時代には、昔の都があった場所として観光地として栄えていき、明治時代には別荘地として「鎌倉文士」と言われる文学者にも愛され、文化的に華やかな場所になっていく。

鎌倉は時代時代で様々な魅力がある。

鎌倉に住む人が鎌倉を守り、いまの鎌倉をつくってきた

そんな歴史ある鎌倉。実は歴史が続き、自然や文化が守られてきたのは当たり前のことではなく非常に努力が必要だと大澤さんは熱く語る。

「鎌倉の歴史や文化は、実は先人たちが努力をして守ってきているんです。本当に努力をしないと守れないもの。それを知らないでそのまま過ごしていたら、あっという間になくなってしまいます。」

鎌倉歴史文化交流館が伝えたいことは、歴史や文化財の知識だけではなく、鎌倉の街そのものを未来につなぐことの大切さ。

鎌倉に暮らす一人ひとりの意識が変わると大きな力になる。歴史的にもそういった経験を積み重ねている。

むかし、高度成長期時代、鶴岡八幡宮の裏山の開発工事の計画が上がった。それを中止させて今の景観を守ったのは市民の声だった。関東大震災のとき、仏像など多くの文化財に損傷が出て、それを守らないといけないと立ち上がったものも市民で、いまの鎌倉国宝館が建てられた。

「今の鎌倉を作ってきたのは市民の方々の力がとても大きい。鎌倉のことを知って、鎌倉に住んでいる方一人ひとりが鎌倉を守っていってほしい。」

「歴史や文化の魅力を知れば、自然に守りたいという気持ちになると思います。そういうことに気づいていただきたい。そしてその歴史や文化のたすきを未来につなぐ一人になっていただきたい。そのリレーに参加できるというのも、鎌倉に住む面白さだと思います。」

大澤さんはとても優しい声で、だが、とても力強くそう語った。

これから鎌倉に住む方に伝えたいこと

「これから鎌倉に移住してくる方には、まずは自然を楽しんだり、歴史や文化について楽しく知ってもらいたいです。何か特別な動きをするとかではなくても、今あるものを壊さないように、維持できるように意識する。まずはそれで十分だと思います。」

新しく鎌倉に住む人、これから鎌倉を知りたいと思う人のためにも、この鎌倉歴史文化交流館はある。「一度騙されたと思って来てみてほしい(笑)。」と大澤さんは言う。

鎌倉歴史文化交流館では、楽しく体験できる仕掛けをたくさん用意している。VRでむかしのお寺に行った気分になったり、ハンズオンで実際に触ったり(ハンズオンは現在コロナ禍で停止中)、プロジェクションマッピングで地図に投影された映像を見て想像したり。

「当館はご家族で来ていただいても楽しめる仕掛けをたくさん用意しています。また、館の周りの景観もぜひ味わってもらいたいです。庭もありますし、高台に上がると海まで見えます。気軽に歴史を体感しに、ぜひ当館にいらしてください!」

鎌倉歴史文化交流館
開館時間/10時00分~16時00分(入館は15時30分まで)
休館日/日曜・祝日、年末年始、展示替え期間など
観覧料/一般300円[210円]、小・中学生100円[70円]
(注)[ ]内は20名以上団体料金
(注)日曜・祝日は休館日となっておりますので、ご注意ください。
アクセスマップ>>

<コロナ禍で鎌倉に行けない方にも朗報>
鎌倉歴史文化交流館では、鎌倉の歴史や文化財の魅力を自宅でも気軽に親しんでもらえるよう、YouTubeチャンネル「かまくらミューズちゃんねる」を開局した。オリジナルキャラクターのみゅーちゃん(パペット人形)が楽しく鎌倉の魅力を伝えてくれる。

(番外編)大澤さんに聞いた!鎌倉のおすすめスポット

1.妙本寺

妙本寺は、鎌倉駅から徒歩9分の場所にある、日蓮宗の寺院。妙本寺のある地は、源頼朝の信任厚かった御家人比企能員一族の屋敷があったところで、能員の末子能本が建てたお堂が妙本寺のはじまりと伝えられている。中心に建つ祖師堂は、鎌倉最大級の木造仏堂建築だ。

この場所は、鎌倉の中心地とは思えないほど緑が多くて落ち着いた場所。「日当たりも良くて、空気も良くて、すごく落ち着く場所です。疲れたら、のんびりしに行くのにとてもいいです。」と大澤さん。

2.覚園寺

覚園寺は、鎌倉駅から少し離れたところに佇む、1218年に建立された歴史ある寺院。北条義時が建立した大蔵薬師堂をもとに、北条貞時が心慧上人を開山として覚園寺を創建したといわれている。

「緑がとても深くて素敵な場所。本堂薬師堂には干支それぞれの十二神将の仏像があるんですが、その戌に当たる十二神将が北条義時を守ってくれたという言い伝えもあります。」と大澤さん。

2022年大河ドラマは、北条義時を主人公に描く「鎌倉殿の13人」。妙本寺に住んでいた御家人の比企能員は13人のうちの1人。覚園寺のはじまりとされる大蔵薬師堂を建てたのは主人公の北条義時。大澤さんは「大河ドラマが始まって混みあうと、思いっきり空気を味わえなくなるかもしれない。ぜひ今のうちに行ってみてください。」とおすすめしてくれた。

 

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osakorie

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湘南に暮らしはじめて3年。休日は海までジョギング、山にハイキング、湘南の新鮮な魚介や野菜と、いつの間にか湘南のとりこに❤ 湘南の魅力を発信していきます!

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