「里のうどんのバラ丼」が藤沢名物になった本当の理由

暮らし

湘南藤沢には全国丼グランプリ3年連続金賞に輝いた、藤沢市民にこよなく愛されている丼があります。その丼は、うどんとバラ丼のお店、藤沢・鎌倉名物「里のうどん」の「バラ丼」。うどん屋なのに、名物は丼なんです。

このバラ丼の生みの親は、元バンドマンで、宝くじがあたったことをキッカケに里のうどんを始めた西嶋社長。その豪快な生き様やバラ丼が誕生した秘話、コロナ禍で経験されたお話を通して、湘南藤沢で働くということ、生きる上で大切なことを教えていただきました。


里のうどん南藤沢店の前に立つ西嶋芳生社長

里のうどんの開業資金は宝くじであたった124万円

西嶋社長は、元バンドマン。バンドを続けるも芽が出ない日々。31歳の時に日本にいるのが嫌になって、インドに行ったとき、たまたま出会った人に「あなたは宝くじ1枚買えば当たるから、日本に帰ったら買ってみて」と言われます。

それから、日本に帰ってきて広告代理店に就職。営業の仕事の中で、4坪のボロボロのほったて小屋の店を譲りたいという人に出会います。店を買いたいけどお金がない。昔インドで言われたことを思い出して、1枚の宝くじを購入します。すると本当に124万円があたります。

「これは神様がこの店をやれってことだなと思いました。それではじめたのが里のうどんだったんです。」


引用元:里のうどんHP

バラ丼は常連のお客様の声を聞く中で生まれた

店では、実家が岡山だったため、地元の薄味のうどんを提供しますが、25年前の湘南では、薄味のうどんは存在しませんでした。店に食べに来てくれた友人から「確かにうまいけど、郊外のこんなはずれで、こんな薄味の店なんて絶対に流行らない」「焼肉定食を作ったらどうだ」と言われて、焼き肉定食を提供しようと試みます。しかし作業スペースがなく断念。スペースの都合上、丼にしたのが「バラ丼」が誕生するきっかけでした。


うどんとミニバラ丼のセット(南藤沢店にて)

「飲食の経験がなかったから見よう見まねで。最初は毎回味が違って味もいまいちでした。どうしたらいいかな?ってお客さんに聞いたら、『お前、素人でわからないんだから、お客さん全員に聞けよ』って言われて、半年間来店するお客さん全員にどうしたらいいか聞いたんですよ。」

西嶋社長はそんなお客様の声を素直に聞いて、片っ端からお客様にバラ丼を美味しくする方法を聞いていったそうです。中には「お金あげるから、この店に行って食ってこいよ」と言お金を渡してくれるお客様もいたそう。そうやって試行錯誤を続けて2年、今あるバラ丼ができあがりました。ごまをかけたり、マヨネーズをかけるのも、全部お客様の声でした。


ご飯の上に山盛りの千切りキャベツ、甘辛い濃厚なタレで煮詰めた肉厚な豚バラがあふれんばかりに乗っかり、ゴマがかかった「バラ丼」。一緒に提供される巨大なマヨネーズをかけて食べます(南藤沢店にて)

コロナで倒産寸前、クラウドファンディングで常連のお客様に助けてもらった

お客様の声から出来上がったバラ丼は好評で、国内5店舗、タイに5店舗とお弁当宅配店舗を1店舗と順調に店舗を拡大していきます。しかし、そんな順調だった里のうどんを襲ったのがコロナでした。

特に打撃が大きかったのが鎌倉店でした。鎌倉店はトリップアドバイザーで鎌倉の1位2位をキープ。2016年には全国56万店の中で外国人が選ぶ人気レストランで全国26位にまで入った店舗。しかし、特に海外旅行者に人気でインバウンド需要が大きい店舗だったため、2020年3月にはツアーが全部中止となり、あっという間に売上が暴落。即決で3月5日に店舗を閉めることにします。

テラスモール湘南店も4,5月には完全に営業中止。タイの5店舗もすべて閉店。弁当屋も閉店を余儀なくされて、気づくと月売上が8割減に。弁護士とも話を始めて、西嶋社長は廃業寸前にまで立たされます。


南藤沢店(2021年3月時点で営業している2店舗のうちの1店舗)

もう会社をたたむしかないと思ったとき、クラウドファンディング大手「キャンプファイヤー」のアドバイザーをしている昔の友人から声をかけられ、クラウドファウンディングに挑戦します。その結果、なんと目標金額500万円のところ、最終的に816万円もの支援を集めることができました。


引用元:CAMPFIREサイト

「人とのつながり」があったからこそ、ここまでこれた

「僕はお金はなかったけど、目に見えない貯金をしてたんだなと思いました。結局、今回助けてくれたのは、これまで付き合ってきた友人やお客様。それまでの生き方がどうだったか、ということなんじゃないでしょうか。」

「やはり『ギブアンドギブ』をやっていかないといけない。相手に何かをしたら返ってくると思っていると、いざと言うときは返ってこない。自分ばかりもらおうと思っていてはだめなんだなと思いました。捨てる神があれば、拾う神あり。色々勉強になりました。」

西嶋社長はそう振り返ります。今回のコロナ禍で本当に大変な思いをされたにもかかわらず、「これだけ苦しい思いを味わえたのはラッキーだった」とも言います。

「里のうどん」を立ち上げたのも、「バラ丼」を完成させたのも、「里のうどん」が人気店になって藤沢名物になったのも、クラウドファンディングで助けられたのも、結局は『人とのつながり』。西嶋社長が大切にしてきた友人やお客様とのつながりがもたらしてくれたものでした。

藤沢の魅力はわからない、だけど地域を限定すればするほど世界に行ける

湘南の魅力を聞いてみると、「生まれてからこの方ずっと藤沢に住んでるから魅力はよく分からない。でも嫌だったら住んでないですよね。」と西嶋社長。なぜ、湘南藤沢を拠点に活動されているのかをお聞きすると、想像を超えるスケールの話が返ってきました。

「初めからドミナントでやろうと思っていました。家族も海外志向が強くて、昔から海外は身近に感じていたんです。地域を限定すればするほど世界に行けるって思っていました。ボルドーワインもボルドーだから飲みたいと思う。あれがフランスワインだったらなにか違う。情報が分散しないから、藤沢名物にしようとすれば実現できるし、周りもそう思ってくれる。地域の人も応援してくれるんです。」

湘南に移住したいけど、仕事があるか心配という方も多いと聞きます。そういう方に対しても、西嶋社長はこう言います。

「仕事は自分でつくるもの。デザインってできないと思うかもしれないけど、普段使うノートやペンを選んでいることもデザインをしているということ。だから、仕事もつくれる。一人ひとり違った個性がある。人に頼って生きていくだけじゃなくて、震えながら一歩を踏み出してみる、自分で動くことが大切なんじゃないかな。今は特にそういう時代じゃないですかね。」


南藤沢店の前に立つ西嶋社長

私はこれまで湘南に住む方々のお話をたくさん聞いてきましたが、この西嶋社長のように自分から仕事や人生を作っていくことを楽しんでいる人が多いように感じます。湘南に移住すると、こういう人たちに触れ、人生を変えるきっかけになるかもしれません。

最後に、湘南に移住しようと考えている人に向けたメッセージをもらいました。

「とにかくバラ丼のタレ、一度使ってみて。使えば分かる!」

里のうどんでは、オンラインショップでバラ丼のタレと半生うどんを販売しています。是非一度試してみてください。ちなみに、サクラでもなんでもないですが、私はバラ丼のタレを家に常時ストックしています(笑)。


バラ丼のタレ2本セット 1,600円(税込1,728円)

里のうどん オンラインショップ https://satonoudon-onlineshop.com/
里のうどん HP http://www.satonoudon.com/

 

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osakorie

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湘南に暮らしはじめて3年。休日は海までジョギング、山にハイキング、湘南の新鮮な魚介や野菜と、いつの間にか湘南のとりこに❤ 湘南の魅力を発信していきます!

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